2009年2月12日木曜日

ブラジル 映画「シティ・オブ・ゴッド City Of God」

リオデジャネイロのスラム「シティ・オブ・ゴッド」を舞台にしたバイオレンス映画。ブラジル映画は初めて見たが、オープニングから一貫してテンポのよい音楽と映像・地面すれすれや細い路地でのカメラワークには圧倒された。



人気の映画でネット上もたくさんのレビューが上がっているようなので、簡潔にします。

ブラジルは2回旅行で行きましたが、リオデジャネイロのスラムがこんな状態だとは知りませんでした。もちろん60年代70年代が舞台のようなので今は違うとは思いますが、ノンフィクションに近い作品だと聞いてショックを受けました。旅行者の視点では決して触れることのないリオの闇の部分を映像で見ることができたのが良かったです。。

「スラム」が舞台ということでしたが、粗末な家が密集する貧民街、という意味では、大したことないと感じてしまったのが正直なところです。アフリカには普通の町も一歩足を踏み入れればもっと貧しいですから。カリブ海のハイチもアフリカ同様で、リオの貧民街なんてかわいいものだと思いました。

怖いと思ったのが、COGでは武器が簡単に手に入り、それがいとも簡単に使われていること。パキスタンの一部やアフガニスタン・イエメンなどでは簡単に武器が手に入り、道行く男たちが武器を携帯していたりしますが、ひとたび発砲すれば一族や部族の全面戦争に発展しかねないという緊張感が常にあり、それがブレーキになっています。私が見た限られた地域の話ですが、これらの国の大半は「危険な無法地帯」ではなく、「秩序正しい安全な社会」であると感じました。ところが、部族社会・村社会とは違う寄せ集めの貧民街では、歯止めとなる掟がないからでしょうか、それとも力だけが支配するということ自体が掟なのか、COGには秩序というものが感じられず、それが非常に怖いと思いました。特に怖いかったのが、ピストルを渡された子供集団が、あっけなくボスを射殺してしまうところ。

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